2021/12/23 [ 歯の知識 ]
歯の治療に用いられるセラミック、「聞いたことはあるけど、詳しく知らない」という方は少なくありません。セラミック治療には多くのメリットがあります。ここではセラミック治療はどういったものなのか、セラミック治療のメリット・デメリットについて説明します。
セラミック治療とは、むし歯治療で患部を大きく削ったときに、その部分を補うために詰め物や被せ物を「セラミック」と呼ばれる素材で補うことです。セラミックはお茶碗や湯飲みなどと同じ陶磁器でできています。なお歯科用のセラミックは審美性が高く、強度にも優れたものを使用しています。
・オールセラミック
・ハイブリッドセラミック
・ジルコニアセラミック
オールセラミックとは、セラミックのみを使用した素材のものです。セラミックの中でも透明感を出せることから、最も美しいとされています。
ハイブリッドセラミックとは、セラミックとプラスチックを混ぜた素材のものです。それにより他のセラミックの素材よりも柔軟性があるのが特徴です。また費用も他のセラミック素材と比較すると安価になります。
ジルコニアセラミックとは、外側はセラミック、内側はジルコニアで作られたものです。ジルコニアは人工ダイヤモンドとも呼ばれており、他のセラミックよりも硬い素材でできています。
それぞれのセラミックの素材には、以下のような共通したメリットがあります。
・審美性が高い
・天然歯のような透明感がある
・自然な噛み合わせ
・汚れがつきにくい
・変色しない
・金属アレルギーの心配がない
・金属のように電流を起こさない
セラミックの最大のメリットは審美性の高さです。セラミックは天然歯と同じような色調を再現でき、加えて天然歯のように光を透過するため、自然な透明感も再現することができます。また自身の歯の色に合わせられるだけでなく、希望によってさらに白くすることも可能です。
セラミックは強度が高く、天然歯と近い硬さであるため、噛み合う歯にかかる力も自然なものになります。またプラスチックのように簡単にすり減らないため、10年以上使用できます。
セラミックの表面は傷がつきにくく、ツルツルしているため、汚れが付着しにくいといった特徴があります。またプラスチックのように飲食物による影響や長期間使用しても変色することはありません。
銀歯は長期間お口の中に金属があると、溶け出して歯ぐきを黒く変色させてしまう可能性がありますが、セラミックは金属を使用していないため、歯ぐきが黒く変色してしまうことはありません。
金属を一切使用していないため、金属アレルギーを引き起こす心配はありません。ただセラミックの種類の中には「メタルボンド」と呼ばれる金属のフレームにセラミックを焼き付けたものがあり、金属アレルギーの方は注意が必要です。
銀歯といった金属はお口の中で「ガルバニー電流」と呼ばれる微細な電流を放つことがあります。これは自律神経のバランスが崩れ、めまいや耳鳴りなどの症状を引き起こす可能性があります。セラミックは金属を使用していないため、そのようなリスクはありません。
メリットが多いセラミック治療ですが、デメリットもあります。それぞれのメリット・デメリットを考慮して選択すると良いでしょう。
・費用は高額になる
・欠けたり割れたりする可能性がある
セラミック治療は保険適用外のため、保険適用の銀歯よりも費用は高額になります。なおセラミック治療は医療費控除の対象となります。これは1年間に10万円を越える医療費を支払った場合、確定申告をすると一定の金額の所得控除が受けられる制度です。
セラミックは非常に硬い素材ですが、陶磁器と同様に強い衝撃を受けると欠けたり割れたりする可能性があります。なお歯ぎしりや食いしばりをする方、かみ合わせが強い方でセラミック治療を希望する場合、ジルコニアセラミックを選択するか、就寝時に装着するナイトガードを作製するなど工夫が必要になります。
セラミックは天然歯のように色調や透明感など再現でき、なおかつ金属アレルギーの心配もなく身体にやさしい治療であると言えます。ただ保険適用外であることから治療費が高額になるデメリットがあります。セラミック治療を選択する際は、それぞれのメリット・デメリットを理解し、ご自身のお口の状態に合わせた素材を選ぶことが大切です。セラミック治療でお悩みの方はWHITIA南烏山is歯科にご相談ください。