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インプラントをしていると空港の金属探知機で引っかかるのか?
歯科治療で用いられるインプラントは、その多くがチタンまたはチタン合金で作られています。
そのため「インプラントが入っていると空港の金属探知機に引っかかるのでは?」と、不安に感じる方もいるでしょう。
そこで、今回はこの疑問を解消すべく、インプラントの素材や実際のところはどうなのかについて解説していきます。
インプラントは何でできているの?
歯科インプラントは、主にチタンという金属で作られています。チタンは体にとても優しく、人工関節や心臓ペースメーカーにも使われているほど安全な素材です。さらに、軽くて錆びにくく、磁石にも反応しない「非磁性金属」という特徴を持ちます。この特性から、空港の金属探知機には反応しにくいと言われています。
空港の金属探知機は何を検知する?
空港の金属探知機は、金属に反応する電磁波を使って検査をしています。ただし、その感度には限界があり、どんな金属でも必ず反応するわけではありません。探知機が反応するかどうかは、主に以下の2つの要素で決まります。
1.金属の大きさ
金属が大きければ大きいほど、探知機が反応しやすくなります。たとえば、ベルトのバックルや大きなアクセサリーなどは引っかかりやすいです。
2.金属の種類
鉄やニッケルのような磁性を持つ金属は、探知機に反応しやすい傾向があります。一方、チタンのような磁性を持たない金属は、反応しにくいです。
実際にインプラントが鳴ることはあるのか?
結論から言うと、歯科インプラントが原因で空港の金属探知機が鳴る可能性は、非常に低いと言えます。しかし、以下のようなケースは、インプラントが原因だと誤解される可能性も考えられます。
他の体内金属が原因の場合
過去の骨折治療で使われた金属プレートやボルト、心臓ペースメーカーなど、インプラント以外の金属が体内に埋め込まれている場合、それらが金属探知機に反応することがあります。
これらの金属は、インプラントよりも大きく、磁性を持つ素材である場合も多いため、探知機が反応しやすい傾向があります。
高感度の探知機を使用している場合
近年、テロ対策などのセキュリティ強化のため、一部の空港では金属探知機の感度を非常に高く設定している場合があります。
このような高感度探知機では、ごく小さな金属にも反応する可能性があり、インプラントが反応してしまう可能性もゼロではありません。
ただし、この場合でもインプラント単独で反応するというよりは、他の金属との複合的な要因で反応するケースが多いと考えられます。
<実際に飛行機に乗られた方のコメント>
約10年前インプラント手術を受けました。手術後の経過は順調で、現在も快適に生活しています。仕事で国内外を頻繁に渡航するため、空港での金属探知機通過が気になるところですが、一度も引っかかったことはありません。
治療前は旅行や出張先での食事がストレスになることもありましたが、インプラントにより食事を楽しめるようになり、生活の質が向上したと感じています。
(70代/男性)
まとめ
ここまで解説してきたように、「歯科インプラントが原因で空港の金属探知機が鳴る」という話は実際にはほとんど心配する必要のない、都市伝説のようなものだとご理解いただけたかと思います。
もちろん、万が一、探知機が反応してしまった場合でも、落ち着いて空港職員にインプラント治療を受けている旨を伝えれば、適切に対応してもらえます。
インプラントは、旅行中の食事を快適に楽しむための頼りになる相棒です。美味しいご当地グルメを心ゆくまで堪能してくださいね。
また、インプラントは適切なケアをすることで長く使い続けられますので、旅行中も忘れずにケアをしてください。