冷たい物から温かい物へ…季節の変わり目に気づく“しみる歯”

冷たい飲み物から温かいお茶に切り替える季節。ふとした瞬間に「キーン」と歯がしみることはありませんか？
これは知覚過敏やむし歯のサインかもしれません。季節の変わり目は、お口の変化に気づける絶好のタイミング。早めの対策で健康な歯を守りましょう。

季節の変わり目に気づく「しみる歯」のサインとは？

季節の変わり目は、飲み物や食べ物の温度差により、歯の異変を自覚しやすい時期です。特に「しみる」症状は、知覚過敏やむし歯の初期段階を知らせてくれる大切なサインです。

冷たい飲み物から温かい飲み物に切り替えるときの違和感

夏は冷たい飲み物、秋冬は温かい飲み物へ。切り替わるこの時期に「冷たい時は大丈夫なのに、熱いお茶でしみる」と感じることがあります。これは象牙質が露出していたり、歯の神経が過敏になっているサイン。単なる一時的な違和感と見過ごさないことが大切です。

放置しやすいけど注意すべき初期症状慣

「ちょっとしみるだけだから」と放置してしまう人は少なくありません。しかし、その違和感はむし歯の初期段階や知覚過敏の始まりかもしれません。症状が軽いうちならセルフケアや歯科での簡単な処置で改善できるため、早めに気づくことが予防の第一歩になります。

知覚過敏とむし歯、どう違う？
見分けるチェックポイント

「歯がしみる」といっても、原因は知覚過敏だけではなく、むし歯の場合もあります。それぞれの特徴を知っておくと、セルフチェックの参考になります。

【知覚過敏】しみ方の特徴とは？

知覚過敏は、歯の表面を覆うエナメル質が薄くなり、内側の象牙質が露出することで起こります。冷たい物や甘い物、風が当たったときに一瞬「キーン」としみるのが典型的な症状。しみるのは短時間で、痛みが持続しないのが特徴です。

【むし歯】しみ方の特徴とは？

むし歯の場合、冷たい物や甘い物だけでなく、進行すると温かい物でもしみるようになります。さらに特徴的なのは「ズキズキと長く痛む」「痛みがだんだん強くなる」といった点。放置すると歯の神経にまで炎症が広がり、進行すると神経の治療が必要になることもあります。

しみる原因になる生活習慣

日常のちょっとした習慣が、しみる歯を引き起こす原因になることがあります。

歯ブラシの力が強すぎると歯がしみる？

ゴシゴシと強い力で磨くと、歯ぐきが下がって象牙質が露出しやすくなります。その結果、知覚過敏が起こりやすくなります。正しいブラッシング圧は「150g程度（ボールペンで文字を書くくらいの力）」とされ、力加減を意識するだけで予防効果があります。

酸蝕症とは？酸っぱい飲食物が歯を溶かす

柑橘類や炭酸飲料、スポーツドリンクなど酸性の強い飲み物は、エナメル質を溶かしやすい性質があります。これを「酸蝕症」と呼び、知覚過敏やむし歯のリスクを高めます。酸性の飲食後は、すぐに歯を磨くと軟らかくなったエナメル質を削ってしまうことがあります。まずは水やお茶で口をすすぎ、30分ほど経ってから歯磨きをするのがおすすめです。

歯ぎしりや食いしばりが知覚過敏を悪化させる？

無意識の歯ぎしりや食いしばりは、歯に過度な力をかけてエナメル質を削り、ヒビを生じさせることがあります。これが象牙質の露出につながり、知覚過敏が悪化。マウスピースの使用やストレスケアが有効な予防法です。

歯がしみる時のセルフケアと歯医者に行くタイミング

歯がしみるときは、自己流で我慢せず「正しいセルフケア」と「歯科医院での早めの受診」の両立が大切です。ここでは自宅でできる工夫と、受診が必要なサインを紹介します。

歯磨き粉の選び方と磨き方の工夫

しみる歯には、知覚過敏用の歯磨き粉が効果的です。硝酸カリウム配合は歯の神経への刺激を和らげ、フッ化物配合は歯質を強化してむし歯予防にもつながります。
また、歯ブラシは「やわらかめの毛先」を選び、力を入れすぎず軽いタッチで磨くことが重要です。磨くタイミングにも注意し、酸性の飲食後は30分ほど時間を空けてから磨くと、エナメル質を守ることができます。

歯科医院を受診した方がいいサインとは

セルフケアを続けても症状が改善しない場合や、以下のような症状がある場合は、早めに歯科医院を受診しましょう。

•  ・温かい物でもしみる
•  ・ズキズキと持続的に痛む
•  ・痛みが強くなってきている
•  ・しみる症状が数週間以上続いている

これらは知覚過敏にとどまらず、むし歯や歯周病、神経の炎症などが進んでいるサインかもしれません。歯科医院では原因に応じた適切な治療が受けられます。

まとめ：しみる歯を放置しないで健康な口元を守ろう

歯がしみるのは「体からのSOSサイン」。知覚過敏やむし歯の早期発見につながる大切な症状です。 「そのうち治るだろう」と放置せず、セルフケアと歯科医院での診察を組み合わせることが、将来の歯の健康を守る近道です。
違和感に気づいたら、早めの対応で健やかな口元を保ちましょう。