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定期健診で「隠れ歯周病」が見つかる?気づかないうちに進行する病気のサイン
痛みも腫れもないのに、知らぬ間に進行している「隠れ歯周病」。放置すると歯を失うだけでなく、全身の健康にも悪影響を及ぼすことがあります。今回は、気づかれにくい歯周病の初期サインと、定期健診で早期発見する大切さについてお話しします。
「痛くないから大丈夫」が危険!隠れ歯周病とは?
「歯が痛くないから問題ない」と思っていませんか?実は、歯周病の多くは自覚症状のないまま静かに進行します。歯を支える骨が少しずつ溶けていく病気で、気づいたときには重症化していることも。
初期段階では歯ぐきの赤みや出血などの軽い症状だけですが、放置すると歯がぐらつき、最終的には抜けてしまう恐れもあります。“沈黙の病気“と呼ばれる理由は、まさにここにあります。
こんな症状ありませんか?歯周病の見逃しやすいサイン
「歯周病かも?」と感じにくい初期段階でも、体は小さなサインを出しています。以下のチェックリストに当てはまる項目があれば、早めの受診がおすすめです。
| 症状 | 意味すること |
| 歯みがきのときに血が出る | 炎症による出血。放置すると悪化します |
| 朝起きると口の中がネバつく | 細菌が増えているサインです |
| 歯ぐきが赤い・腫れている | 歯肉炎または歯周炎の前兆 |
| 口臭が気になるようになった | 歯周ポケット内の細菌が原因の可能性 |
| 歯が少し動く・浮く感じがする | 骨が溶け始めている可能性あり |
ひとつでも当てはまる方は、“隠れ歯周病“が進行しているかもしれません。早めの検査とクリーニングが、健康な歯を守る第一歩です。
歯周病は全身病!糖尿病・心臓病との怖い関係
歯周病は口の中だけの問題ではありません。近年の研究では、糖尿病・心臓病・動脈硬化・脳梗塞などとの深い関連が明らかになっています。
歯周病菌が血流を通じて全身に巡り、炎症を引き起こすことで、生活習慣病の悪化にもつながるのです。特に糖尿病とは「相互悪化」の関係にあり、歯周病を治療すると血糖値が改善するケースも報告されています。
お口の健康を守ることは、全身の健康を守ることにもつながります。
定期健診で早期発見!歯科でしかわからない検査とは
「歯ぐきの状態なんて自分でわかる」と思っていませんか?実際には、歯科医院での専門的な検査でしか確認できない部分がたくさんあります。
歯科医院で行う主な検査
プロービング検査
歯と歯ぐきのすき間(歯周ポケット)の深さを測り、炎症の有無を確認します。健康な歯ぐきでは2〜3mm程度ですが、4mm以上になると歯周病の可能性が高まります。
レントゲン検査
歯を支える骨の状態を画像でチェックします。目に見えない骨の溶け具合を確認でき、歯周病の進行度を正確に把握できます。
プラークコントロール検査
歯垢の付着部位や量を確認し、原因を分析します。磨き残しの傾向を知ることで、効果的なブラッシング方法を学べます。
これらの検査で、自覚症状のない“隠れ歯周病“も早期に発見できます。「何も感じない今こそ」検診を受けておくことが大切です。
まだ間に合う!歯周病の進行を止める治療と予防法
歯周病は進行性の病気ですが、早期に対応すれば改善可能です。治療と予防の両輪で、健康な歯ぐきを取り戻しましょう。
主な治療・ケア方法
スケーリング(歯石除去)
歯の表面や歯ぐきの中の歯石を専門器具で取り除きます。歯石は歯ブラシでは取れないため、定期的な除去が必要です。
ルートプレーニング
歯の根の表面を滑らかにして、細菌や毒素を除去し、再付着を防ぎます。中等度以上の歯周病に有効な治療法です。
ブラッシング指導
自分に合った歯ブラシ・フロス・歯間ブラシの使い方を指導してもらえます。正しいセルフケアが歯周病予防の基本です。
さらに、バランスの取れた食事・十分な睡眠・禁煙も歯周病予防には欠かせません。「今からでも遅くない」──今日から始めるケアが、将来の健康を左右します。
まとめ|隠れ歯周病を防ぐカギは「定期健診」にあり
歯周病は、気づかないうちに進行する“静かな病気“です。しかし、3〜6ヶ月に一度の定期健診でのチェックとクリーニングを続ければ、早期発見・早期治療が可能になります。
自分では見つけにくい歯ぐきの変化も、プロの目なら見逃しません。定期健診で、「いつまでも自分の歯で噛める未来」を守りましょう。お口の健康は、全身の健康につながっています。
次回の検診予約はお済みですか? 半年以上歯科を受診していない方は、ぜひこの機会に予約を入れてみてください。


