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2025年11月26日

iPS細胞で歯が再生する時代が来る?再生医療が変える歯科治療の未来

「失った歯がもう一度生えてきたら…」そんな夢のような話が、現実になろうとしています。iPS細胞や歯髄幹細胞を使った再生医療の研究が進み、自分の細胞から新しい歯を作る技術が開発されています。インプラントや入れ歯に代わる、まったく新しい選択肢が生まれるかもしれません。歯科治療の未来を一緒に覗いてみましょう。

「自分の歯が生えてきたら」夢の技術が現実に?

「もう一度、自分の歯で食事を楽しみたい」「若い頃のように、何でも噛める歯が欲しい」そんな願いを持っている方は多いのではないでしょうか。これまで、失った歯を取り戻す方法は、インプラントや入れ歯、ブリッジといった人工物を使う治療しかありませんでした。

でも今、その常識が大きく変わろうとしています。京都大学発のベンチャー企業「トレジェムバイオファーマ」が世界初となる歯の再生治療薬の開発を進めており、20249月から臨床試験を開始し、2030年の実用化を目指しています。自分の細胞から新しい歯を生やす——そんなSF映画のような技術が、あと数年で現実になるかもしれないのです。

人工の歯ではなく、本物の自分の歯が生えてくる。その可能性に、世界中の研究者が注目しています。

iPS細胞って何?歯の再生医療の仕組みをやさしく解説

iPS細胞」という言葉を聞いたことはあるけど、詳しくはよく分からない…という方も多いかもしれません。iPS細胞とは、簡単に言うと「どんな細胞にでも変身できる万能細胞」のこと。2006年に京都大学の山中伸弥教授が作製に成功し、ノーベル賞を受賞した画期的な技術です。

iPS細胞の基本的な仕組み

皮膚や血液など、体の一部から取り出した細胞に特定の遺伝子を入れることで、さまざまな組織に変化できる能力を持った細胞に「初期化」します。この細胞を培養して増やし、必要な細胞へと育てることで、損傷した組織や臓器を再生する——これがiPS細胞を使った再生医療の基本です。

歯科治療への応用

岩手医科大学の研究チームは、iPS細胞から歯の象牙質を作る象牙芽細胞への分化に世界で初めて成功しました。この細胞は歯の主要な構造を形成する重要な役割を担っています。また、親知らずの歯髄から得られた細胞を用いると、iPS細胞をより効率良く作ることができることも明らかになっています。

つまり、抜いた親知らずや乳歯から細胞を取り出し、それを培養して歯の組織を作り出す——そんな治療が可能になりつつあるのです。

歯髄幹細胞も注目!今研究されている歯の再生技術

iPS細胞以外にも、注目されている再生医療の技術があります。それが「歯髄幹細胞」を使った方法です。

歯髄幹細胞とは?

歯髄とは、歯の中心部にある神経や血管が通っている組織のこと。この歯髄に含まれる幹細胞は、骨や脂肪、軟骨、神経など、多くの細胞に変化する能力を持っています。しかも、iPS細胞と比べて腫瘍化やがん化する可能性が極めて低く、安全性が高いことが特徴です。

実用化が始まっている治療

2012年には、愛知学院大学と国立長寿医療研究センターの共同研究により、歯髄幹細胞を用いた歯髄再生治療の臨床研究が開始されました。虫歯で神経を失った歯に、自分の歯髄幹細胞を移植することで、歯髄を再生させる治療です。

歯の細胞バンクという選択肢

抜いた親知らずや乳歯から採取した歯髄細胞を、将来の治療のために冷凍保存しておくサービスも始まっています。若いうちの元気な細胞を保存しておくことで、将来的に様々な病気の治療に活用できる可能性があるのです。

 

インプラントや入れ歯との違いは?再生医療のメリット

では、従来の治療法と比べて、再生医療にはどんなメリットがあるのでしょうか。

治療法 メリット デメリット
インプラント しっかり噛める、見た目が自然 手術が必要、費用が高額、定期メンテナンス必須
入れ歯 比較的安価、取り外し可能 違和感がある、噛む力が弱い、見た目が気になることも
再生医療(将来) 自分の本物の歯が生える、拒絶反応がない まだ実用化されていない、費用は未定

再生医療の大きな利点

1. 自分自身の細胞を使うため拒絶反応がない
インプラントなどの人工物とは違い、自分の細胞から作られた歯なので、体が異物として認識することがありません。

2. 本物の歯と同じ機能を持つ
iPS
細胞から作った組織をマウスに移植したところ、エナメル質や象牙質、歯髄などを含む、歯に似た構造を持つ組織が形成されたという報告があります。つまり、人工物ではなく、本物の歯と同じように機能する可能性があるのです。

3. 定期的な交換やメンテナンスが不要
インプラントのように、数年ごとの部品交換やメンテナンスの心配がありません。

実用化はいつ?私たちが受けられる日は来るの?

「夢のような話だけど、実際いつになったら受けられるの?」——これが一番気になるポイントですよね。

歯生え薬の開発スケジュール

トレジェムバイオファーマ社が開発中の「歯生え薬」は、USAG-1というタンパク質の働きを抑える薬で、20249月から臨床試験が開始されています。2030年には先天性無歯症(生まれつき歯が欠損している状態)の方への実用化、2033年には部分無歯症への適用を予定しています。

さらに将来的には、虫歯や歯周病など、後天的に歯を失った場合の治療にも応用していく計画です。つまり、多くの方が恩恵を受けられる日も、そう遠くないかもしれません。

すでに実用化されている再生医療

一方で、すでに実用化されている再生医療もあります。2020年頃から、歯髄(神経を含む組織)を再生する「歯髄再生治療」が日本で実用化されています。虫歯で神経を失った歯を、自分の細胞で再生できる時代が既に始まっているのです。

今後の課題

歯の再生には、エナメル質、象牙質、歯髄などの複雑な構造を正確に再現する必要があり、完全な再生はまだ研究段階にあります。また、再生医療は高度な技術を必要とするため、治療費が高額になることも予想されます。

それでも、世界中の研究者が日々研究を重ねており、技術は着実に進歩しています。

まとめ:歯科治療の未来と、今できる歯を守る方法

歯の再生医療は、確実に実用化に向けて前進しています。20249月には東北大学の研究チームが、iPS細胞由来神経幹細胞による骨再生促進とメカニズムの一端を明らかにし、新規骨再生治療の開発が期待されています。数年後、十数年後には、失った歯を自分の細胞で再生することが当たり前になっているかもしれません。

今ある歯を大切にすることが一番重要

どんなに素晴らしい再生医療が実現したとしても、今ある自分の歯に勝るものはありません。予防と早期治療こそが、最も確実で経済的な方法です。

今日からできること

・毎日の丁寧な歯磨き(歯と歯の間も忘れずに)

・定期的な歯科検診とクリーニング

・健康な生活習慣(バランスの良い食事、禁煙など)

・気になることがあったらすぐに歯科医院へ相談

再生医療の未来に期待しながら、今ある大切な歯を守っていく——それが、いつまでも自分の歯で食事を楽しむための一番の近道なのです。

南烏山is歯科クリニックでは、最新の歯科医療情報を提供しながら、皆様の大切な歯を守るお手伝いをしています。気になることがあれば、お気軽にご相談ください。