2024/06/24 [ 予防歯科, 歯の知識 ]

歯ぐきが瘦せるのは年齢のせい？！

最近、歯ぐきが痩せてきたと感じていませんか？歯ぐきが痩せる原因は、加齢だけでなく、歯周病や間違った歯磨きなどさまざまです。本記事では、歯ぐきが痩せる原因や予防法、外科的治療法について解説します。

年齢による歯ぐきの変化

歯ぐきは歯を支える土台です。健康な状態ではピンク色で引き締まっています。

しかし、年齢を重ねると歯ぐきへの血流が減少し、弾力性が低下するため痩せていきます。歯ぐきが痩せてしまうと、歯が長く見えたり、冷たいものがしみたり、歯がぐらついたりするなどの症状が現れることがあります。

歯ぐきが痩せる原因

歯ぐきが痩せてしまうのは自然な老化現象ですが、年齢だけが原因ではありません。以下の理由で歯ぐきが痩せたり下がってしまうことがあります。

歯周病

歯周病は歯ぐきが痩せる主な原因です。歯周病菌が歯ぐきや歯を支える骨をじわじわと破壊し、気づかぬうちに歯ぐきが下がってしまいます。

強いブラッシング圧

毎日の歯ブラシにも注意が必要です。歯ブラシを強く押し付けたり、ゴシゴシと磨きすぎたりすると歯ぐきが傷つき、下がってしまうことがあります。

喫煙

喫煙習慣も歯ぐきの健康の大敵です。タバコの有害物質は歯ぐきの血行を悪くし、歯ぐきが痩せやすくなる原因となります。

栄養不足

ビタミンCやビタミンDは、歯ぐきの健康を保つために欠かせない栄養素です。偏った食生活は、歯ぐきを弱らせてしまう可能性があります。

歯ぐきが痩せたときに行われる外科的治療法

歯ぐきが痩せてしまった際は、歯ぐきを移植したり、歯を支える骨を再生する治療を行うことで、歯ぐきの回復を目指すことができます。ここでは、代表的な外科的治療法を紹介します。

結合組織移植術(CTG)

結合組織移植術は、他の部位から採取した結合組織を歯ぐきの薄い部分に移植し、厚みを回復させる方法です。

自然な見た目を目指せるのが特徴で、インプラント治療後でも応用されることがあります。

遊離歯肉移植術(FGG)

遊離歯肉移植術は、他の部位から採取した結合組織と上皮組織を歯ぐきの薄い部分に移植する方法です。

結合組織移植術と比較すると採取する組織が厚いため、より安定した歯ぐきの再生を目指せます。ただし、周囲との歯ぐきの色の違いが見られることがあります。

歯周組織誘導法(GTR)

歯周病によって失われた歯ぐきや骨を再生させる治療法です。「メンブレン」と呼ばれる特殊な膜を歯周ポケットに挿入し、歯周組織の再生を促します。

重度の歯周病や歯を支える骨が大きく失われた場合に有効な治療法です。

歯ぐきの痩せを防ぐ方法

歯ぐきが痩せてしまうと自然に元に戻ることはありません。上記で紹介した外科手術が必要になるため、できれば未然に防ぎたいと思われる方も多いでしょう。

健康な歯ぐきを保つ秘訣は、毎日のケアと定期的な歯科検診です。

歯ブラシはやわらかい毛先を選び、斜めに当てて優しく歯と歯ぐきの境目に沿わせるように丁寧に磨くのがポイントです。

また、歯周病は初期段階では自覚症状がないため、プロの目でチェックしてもらうことが大切です。3～6ヶ月を目安に歯科医院での定期検診も忘れずに受診しましょう。

毎日の食事も歯ぐきの健康に大きく影響します。ビタミンCは歯ぐきの炎症を抑え、健康な状態を維持します。また、カルシウムは歯や骨を丈夫にしてくれます。彩り豊かな野菜や果物、乳製品や小魚を意識して摂取しましょう。

喫煙習慣がある方は、健康な歯ぐきを手に入れるためにも禁煙を検討してみることをおすすめします。

また、意外と見落としがちなのが、心の健康です。ストレスは免疫力を低下させ、歯周病を悪化させる原因になります。適度な運動や趣味など、ストレスを解消する方法を見つけ、心身のリフレッシュを心がけましょう。

まとめ

歯ぐきが痩せる原因は、加齢だけでなく、歯周病や間違った歯磨き、喫煙、栄養不足など、さまざまな要因が考えられます。

歯ぐきの健康は全体の口腔衛生に大きく影響するため、歯ぐきが痩せる前に予防することが大切です。年齢だけでなく、生活習慣やケア方法も見直して、健やかな歯ぐきを保ちましょう！