2024/03/26 [ 口内炎 ]
口内炎は誰もが一度は経験するお口のトラブルです。地味に痛く、日常生活において不便さを感じさせることも多いですよね。口内炎は多くの場合、自然に治癒するため過度に心配する必要はありません。しかし、口内炎には良性のものと悪性のものがあり、違いを知っておくことが重要です。そこで今回はその違いや治療方法・予防法を紹介します。
口内炎は唇・口腔粘膜・舌・歯ぐきに発生する潰瘍(かいよう)です。基本的に何らかの原因で粘膜が傷ついたことによって口内炎が引き起こされます。
口内炎には主に以下の種類があります。
・アフタ性口内炎:ストレスや栄養不足、ホルモンバランスの乱れによって引き起こされる
・カタル性口内炎:物理的刺激によってお口の中の粘膜に傷ができ、引き起こされる
・ヘルペス性口内炎:ヘルペスウイルスの感染によって引き起こされる
・カンジダ性口内炎:お口の中でカンジダ菌が繁殖し、引き起こされる
・ニコチン性口内炎:タバコが原因となって引き起こされる
通常、アフタ性口内炎やカタル性口内炎は1週間程度で自然治癒します。しかし、口内炎は良性と悪性の2つに分類され、症状が2週間以上続く場合は、歯科医院への受診が必要です。
ほとんどの口内炎は良性です。一時的に痛みや不快感を伴うことがありますが、1週間程度で自然治癒するため、過度に心配する必要はありません。
良性の口内炎は通常、中心が白色で周囲が赤みを帯びた円形または楕円形をしています。この赤みは、炎症が原因で血流が増加しているために生じます。また、しこりが形成されることはありません。しこりができている場合は、悪性の可能性があるため注意が必要です。
良性の口内炎は食事をする際に痛みが生じるのも特徴です。特に辛い、熱い、酸っぱい食べ物を摂取した際、一時的に痛みが増すことがあります。
ストレスや体調不良、物理的刺激、真菌感染によって発生します。良性の口内炎は、一般的なものですが、症状が長引く場合や頻繁に再発する場合は、歯科医師に相談することをおすすめします。
悪性の口内炎には、口腔がんがあります。口腔がんは、お口の中の組織に発生するがんであり、その中でも歯肉がんや舌がんが最もよく見られます。しかし、口腔がんは全体のがんの割合に比べて数%程度であり、一般的ながんの中では比較的稀な疾患です。
悪性の口内炎の主な特徴は、形がいびつで鮮明な境界がないこと、しこりがあることです。また、初期段階は痛みを伴わないこともあります。悪性の口内炎は自然治癒することはありません。放置すると病状が進行し、命に影響する可能性があるため、早期発見と早期治療が重要です。
口内炎の予防と対処法は、原因や良性か悪性かによって異なります。
口内炎を予防するためには、バランスの取れた食事やストレス管理が大切です。特にビタミンC・ビタミンB群・ビタミンA・亜鉛などを積極的に摂取しましょう。これらの栄養素は、お口の粘膜の修復を助ける働きがあります。
また、ストレスは免疫機能に影響するため、適度な運動や趣味を見つけるなどストレスの軽減を心がけましょう。喫煙者の方で口内炎がよくできる方は、禁煙を検討するのも一つの方法です。
栄養バランスの取れた食事と規則正しい生活を心がけることが大切になります。
良性の口内炎の場合、症状が軽度であれば市販や歯科医院の口内炎治療薬で症状の改善が期待できます。また、歯科医院によってはレーザーを用いて治癒を早める治療を行うこともあります。症状が4日以上改善しない場合は、歯科医院での治療を受けることをおすすめします。
悪性の口内炎で口腔がんの疑いがある場合、治療法は症状の進行度によって異なります。手術や放射線療法、化学療法などが組み合わせることがあります。
悪性の場合、早期発見が最も重要です。異常を感じたら速やかに歯科医師の診察を受けることが大切です。
口内炎は一見すると似たような症状を示すことがありますが、良性と悪性では治療法や症状に大きな違いがあります。
良性の口内炎は自然治癒するか、簡単な治療で改善することが多いですが、悪性の口内炎は早期発見と治療が非常に重要です。お口の中の異常に気づいたら、自己判断せずに気軽に歯科医師に相談することをおすすめします。