2024/03/26 [ CAD/CAM冠, むし歯治療 ]
卒入学式シーズンが到来し、記念写真を撮る機会も増えた方も多いのではないでしょうか。
しかし、銀歯が気になって思いっきり笑えないという方も少なくありません。特に白い歯に憧れる人にとっては、コンプレックスになることもあります。そこで、今回は保険で白い歯を入れられる「CAD/CAM冠」についてと自費のセラミック、銀歯との違いについて紹介します。
CAD/CAMとは、コンピュータシステムを使って設計・加工することです。歯科治療で用いられるCAD/CAM冠は、設計データをもとに歯の色のブロックを切削加工機で削り出して被せ物を作成します。
CAD/CAM冠の主な材質はレジン(プラスチック)とセラミック(陶材)を合わせた「ハイブリッドレジン」と呼ばれる素材です。ある程度の耐久性と審美性があり、金属アレルギーの方にも対応しています。
以前は一定の条件下でのみ保険適用が認められていましたが、2023年12月の保険改定によりCAD/CAM冠の適用範囲が拡大されました。改定後は以下の通りとなっています。
第一大臼歯:改定前は上下左右の第二大臼歯がいずれも残存し、過度な咬合圧がかからない場合に限り保険適用されていましたが、改定によりこれらの条件が撤廃され、すべてのケースで保険適用となりました。
第二大臼歯:改定前は金属アレルギーのある患者さんに限り保険適用されていましたが、改定によりこれらの制限も撤廃され、より広範なケースでの保険適用が可能となりました。
CAD/CAM冠を用いることで銀歯をより自然な見た目の白い歯に変えることが可能になりました。これにより、見た目のコンプレックスを感じることなく、自信を持って笑顔を見せることができるようになるでしょう。
保険適用で白い歯を入れられるので、一見メリットしかないように見えますが、CAD/CAM冠には以下のメリットとデメリットがあります。
・自然な見た目::CAD/CAM冠は、自然な歯の色に近い見た目を再現できます。これにより、補綴物が目立つことなく、自然な笑顔を取り戻すことができます。
・金属アレルギーの心配なし:金属を使用しないため、金属アレルギーの心配がありません。
・噛み合う歯に優しい::CAD/CAM冠は、天然の歯に対する摩耗を最小限に抑えるよう設計されており、反対側の歯へのダメージを軽減します。
・治療費が安価:保険適用になるため、セラミックに比べて治療費が安価です。
・歯を削る量が多い:CAD/CAM冠をフィットさせるためには、比較的多くの歯を削る必要があります。
・経年劣化しやすい:プラスチックが含まれているため、時間とともに劣化しやすく、色が変わったり、割れたりする可能性があります。
・噛み合わせが強い場合は適用外になる:激しい歯ぎしりや食いしばりがある場合、CAD/CAM冠の耐久性に影響を及ぼす可能性があり、このような状況では適用外となることがあります。
自費のセラミックと保険適用のCAD/CAM冠は、それぞれにメリットとデメリットがあります。自費のセラミックは耐久性が高く、天然歯に近い見た目が特徴ですが、費用が高いことがネックです。
反対に、CAD/CAM冠は保険適用であり、費用を抑えて歯の見た目を改善することができますが、セラミックに比べて耐久性や見た目の点で劣ります。
銀歯は金銀パラジウム合金で作られており、非常に高い強度があります。しかし、金属の色が目立つため、前から4・5番目の歯に使用される場合、審美性に欠けるというのがデメリットです。また、金属製のため、噛んだ時の感覚が天然の歯とは異なり、不自然に感じることがあります。
CAD/CAM冠は、セラミックとレジンを合わせた素材を使用しているため、天然歯に近い見た目を目指せます。また、噛んだ時の感覚が天然歯に近いのも特徴です。金属を一切使用しないため、金属アレルギーの心配がないのもメリットと言えるでしょう。
保険適用のCAD/CAM冠で銀歯を白くすることは可能ですが、条件やメリットデメリットを理解した上で選択することが重要です。
選択する際は歯科医師と十分に相談し、お口の状態や見た目、予算などを考慮して検討しましょう。
当院では保険適用のCAD/CAM冠の作製も行っています。卒入学式シーズン、多くの方が新しい門出を迎えるこの時期に、みなさまの笑顔が自信につながるよう応援しています。