2021/12/23 [ 歯の知識 ]
むし歯治療で患部を大きく削ったときは、その部分を補うために詰め物や被せ物といった「補綴装置」が用いられます。保険治療ではその補綴装置に「銀歯」と呼ばれている金属が使われているため、お口の中に入っている人は多いです。ただ銀歯はその色から目立ち、見た目が気になるといった方も少なくありません。加えて銀歯は身体にもさまざまな悪影響を及ぼします。今回は銀歯のリスクについて解説します。
実は、銀歯の金属には種類があることをご存じですか?保険適用の金属には以下のようなものがあります。
・アマルガム
・金銀パラジウム合金
アマルガムとは、銀の粉末に水銀を混ぜたものを削った穴に埋めるものです。アマルガムには水銀・銀・スズ・銅・少量の亜鉛が含まれており、中でも水銀は50%を含んでいます。1990年代まで一般的に用いられていましたが、水銀が唾液によって溶け出し身体に悪影響を及ぼすため、現在は使用されていません。ただ過去に治療を受けた方は、アマルガムがお口の中に残っていることがあります。
金銀パラジウム合金とは、一般的に「銀歯」と呼ばれており、むし歯を削ったあとの詰め物や被せ物に用いられています。金銀パラジウム合金には、銀50%前後・パラジウム20%・銅20%前後・金12%・その他イリジウムなど数%が含まれています。保険適用の中でも多く使用されている金属でお口の中に入れている方も多いですが、金属アレルギーの原因になるといった身体に悪影響を及ぼすデメリットも存在します。
銀歯には見た目が目立つ以外にも以下のようなリスクがあります。
・汚れがつきやすい
・むし歯になりやすい
・歯周病が悪化しやすい
・金属アレルギーを引き起こす
・歯ぐきが黒く変色する
・ガルバニー電流が発生する
銀歯は硬い金属でできていますが、傷がつきやすく、その傷の中にプラークが付着しやすいです。プラークはむし歯・歯周病の原因となる細菌が存在しているため、むし歯のリスクは高くなります。
銀歯は長期間の使用や噛む力によって劣化したり変形したりすることがあります。それにより歯と銀歯の間に隙間ができ、そこからむし歯が侵入して銀歯の下でむし歯が進行する可能性があります。
銀歯と歯の境目は歯磨きでは落とすことが難しく、歯周病の原因となる菌が溜まりやすいです。歯科医院での定期的なクリーニングを怠ると、歯周病が悪化しやすい傾向にあります。
お口の中に金属があると、唾液や飲食物などによって少しずつ金属イオンとして溶け出します。金属イオンが体内のタンパク質と結びつくと、アレルギーの原因となる物質「アレルゲン」になります。それが溜まり続けると体が排除しようとしてアレルギー反応を引き起こすのです。そのため現在は症状がなくても、ある日突然発症することがあります。
銀歯に含まれている銀・銅が溶け出すと、歯ぐきを黒く変色させてしまう可能性があります。金属によって変色した歯ぐきは「メタルタトゥー」と呼ばれており、改善方法には、原因となる金属の被せ物を除去し、黒くなった歯ぐきをレーザーや薬剤などで除去する必要があります。
お口の中で銀歯やアマルガムなど異なる金属同士が当たると、唾液を介してピリッとした電流が流れることがあります。この現象を「ガルバニー電流」と言い、その刺激によって自立神経が乱れ、めまいや耳鳴りなど身体へ悪影響を及ぼすことがあります。
銀歯は見た目にも健康にもさまざまな悪影響があります。WHITIA南烏山is歯科ではそれらの問題を避けるために、「セラミック治療」をご用意しています。治療を選択する際は、見た目以外にもご自身の健康も考慮して検討すると良いでしょう。