2023/06/20 [ 親知らずの治療 ]
皆さん親知らずは、きれいに生えていますか? それとも、斜めに生えていますか?中には生えていないという方もいるかもしれません。しかし、痛みなどの自覚症状がないからと言って放置するのは、実はかなりの危険が潜んでいることをご存じでしょうか。
そこで今回は、親知らずとはどのような歯なのか、放置するリスクや抜歯するかどうかの選択について解説します。
親知らずとは、前から8番目に生えてくる歯のことです。第三大臼歯や智歯(ちし)と呼ばれており、10代後半~20代前半に生え始めてきます。上下左右の計4本ありますが、中には3本しか生えてこない人や全く存在しない人もいます。
親知らずの生え方には、以下のようなパターンがあります。
・真っ直ぐに生えている
・斜めに生えて手前の歯にぶつかっている
・顎の骨に完全に埋まっている
他の歯と比べて大きく、最後に生えてくるため、生えるスペースがほとんどない場合が多いです。そのため、真っ直ぐに生える人は少ない傾向にあります。
親知らずの生え方にもよりますが、放置すると以下のような弊害が起きる可能性があります。
たとえば、親知らずが斜めに生えていると、隣の歯との間に食べかすや汚れが溜まりやすいため、親知らずと隣接する歯がむし歯や歯周病になりやすいです。また、そこから感染症を引き起こして歯ぐきが腫れてしまうこともあります。
親知らずが真っ直ぐに生えていても、歯ブラシが届きにくいため、むし歯や歯周病のリスクは他の歯よりも高い傾向にあります。
下の親知らずを抜いたときや、もともと無いケースは、上の噛み合う歯が下に落ちてくることがあります。また、斜めに生えて手前の歯にぶつかっていると、圧迫されて歯並びに影響を及ぼすこともあります。
親知らずは、放置するとさまざまな問題が起きる可能性があるため、生えてきたら定期的に歯科医院で検診を受けることが大切です。
親知らずを抜くか残すかの選択は、患者さん一人ひとりの口腔内の状態によって大きく異なります。
斜めに生えている、あるいは歯ぐきの下に埋まったまま生えてこないケースは、むし歯や歯周病のリスクが高いため、抜歯が選ばれることが多いです。また、親知らずが隣接する歯を圧迫しているケースは、矯正治療の妨げになるため抜歯を検討することがあります。
症状によっては顎の骨の中にある神経を傷つけてしまうことがあるため、緻密な検査を行い、歯科医師とよく相談してから決めることが大切です。
親知らずが真っ直ぐに生えて噛み合わせに問題がなく、歯ブラシなどでケアができるケースは残すことがあります。また、健康な親知らずで根っこの周りにある歯根膜が十分にある場合は、欠損した大臼歯に移植することも可能です。
鏡を見てご自身の親知らずを見てみましょう。斜めに生えていたり、生えてるのかわからないなど、少しでも気になることがあれば当医院までお気軽にご相談ください。
親知らずの処置は一人ひとり異なります。抜歯が必要かどうかは、レントゲンやCT撮影による詳しい検査を行ったうえで総合的に判断します。
親知らずが生えたら、しっかり管理して健康な口腔内を目指しましょう。