2022/07/29 [ 予防歯科 ]
政府は全国民に、毎年の歯科健診を受けてもらう「国民皆歯科健診」の導入に向けて検討する方針をまとめたことが話題になっています。WHITIA南烏山is歯科に通院している患者様の中には、「歯科検診」を受けている方もいます。しかし、「検診」と「健診」は読み方が同じでも意味が違うものだということはご存じでしたか?
そこで今回は、「歯科検診」と「歯科健診」の違い、「国民皆歯科健診」についてご紹介します。
「歯科検診」とは、むし歯や歯周病などになっていないか早期発見することを目的としています。必要に応じてレントゲン撮影を行い、細部までチェックすることもあります。また、歯磨きでは落としきれない汚れや歯石をクリーニングで除去します。
一方、「歯科健診」とは、歯の健康状態を調べることを目的として行われる検査のことです。一般的に定期健診や1歳6ヶ月健診・3歳児健診・学校歯科健康診断・自治体で行われる40歳、50歳、60歳、70歳の歯周疾患健診特定健康診査といった特定健診のことを指します。歯の健康状態を調べて、むし歯や歯周病にならないためのアドバイスなど行います。
つまり、「歯科検診」はむし歯や歯周病など早期発見するための検査で、「歯科健診」は歯が健康であるかのチェックと言えます。
2022年6月、政府が公表した「経済財政運営と改革の基本方針2022 」いわゆる「骨太の方針」の中に、「国民皆歯科健診」の導入を検討する方針が大きな話題を呼びました。目的は健康の増進・健康寿命の延伸で、健康な人が増えることで医療費の削減を目指しています。
では、なぜ歯科健診をすると医療費の削減につながるのでしょうか。実は、お口の健康は全身の健康と関係があります。たとえば、歯周病は以下の病気と関係していることがわかっています。
・誤嚥性肺炎
・糖尿病
・心臓病
・脳梗塞
・早産
歯周病を予防することで上記の病気も予防できる可能性があり、結果的に医療費の削減が期待されるのです。しかし、国民皆歯科健診を実施するためには、お口の健康が全身の健康に関係していることについて、多くの国民に理解してもらう必要があります。
また、現段階ではどのように行っていくのか、全国民に義務付けるのかなどほとんど決まっていません。日本歯科医師会によると国民皆歯科健診の開始時期は、3~5年後をめどに制度化される可能性があります。
国民皆歯科健診はまだ先の話ですが、歯科検診はいつでも受診することができます。ご自身の歯の健康を守るためにも、制度が始まる前に定期的な検診にぜひご来院ください。